16インチMacBook Pro(2023) M3 Proを2週間使ってみてわかったこと

うぉず

15インチMacBook Proの2015年版を2016年に手放して以降、私は大型のMacBook Proは所有しないと言ってきたが、どうしても16インチMacBook Proを使ってみたくなったので整備済製品で購入するに至った。2週間使い込んだレビューを当記事ではお伝えしていきたいと思う。[@appleshinja_com]

まず結論

【購入したMacのスペック】
16インチMacBook Pro
M3 Pro
12コアCPU
18コアGPU
36GBユニファイドメモリ
1TB SSDストレージ
※整備済製品で購入

スペックの比較などは後ほど行っていくがまずは結論から。

M3 Proの16インチMacBook Pro(2023)はM1 Ultraに匹敵するほどの静音性とハイパワーを備えている。
デスクトップ型Macの必要性はほぼない時代がもう目の前まで迫ってきている。
というか、もうラップトップ型のMacを買った方が良い。

これが結論。
使ってみて驚いたのは50万円もしたMac Studio M1 Ultraと同じ使い方をしてもストレスがほぼないという事だった。というか連続で5本動画を書き出しても全くと言っていいほどにファンが回らないことに驚いた。

高負荷をかけ続けてもファンが回らない夢のMacを我々はもう手にすることができる。これは本当に凄い。M1の衝撃からたった2世代でここまできた。初期から静音性については言われてきたが、M1 MacBook Airを所有している私の体感としては、やはり連続で負荷をかけつづけると熱がこもる印象だった。

静音性とハイパワーという相反するものを同時に向上させてきたApple。さすがとしか言いようがない。

おそらく、というか、もう断言してもいいと思うのだが、ほとんどの人はMacBook Proを外部ディスプレイに接続するだけで満足ができるはずだ。買え!と言ってもいいレベルで。

と、結論をまずお伝えしたところで次に私が実際に使ってわかったことを1つずつお伝えしていこう。

2週間使用レビュー【良いところ】

### 1、M1 Ultraに引けを取らないハイパワー

私は、M1 Ultraのメモリ64GB搭載のMac Studioを2年間使用してきた。当時、50万円もしたMacだったがYoutubeを始めたばかりで「もっともっと動画を出したい!」と気合いで買った最高の相棒なのだが、M3 ProのMacBook ProはそのMac Studioとそれほど変わらないパフォーマンスを出してくれる。

ここで言うパフォーマンスとはベンチマークスコアなどではなく、普段通りの作業をしていて感じる体感のことだ。

Safariを80タブほど開き、Final Cut Proも、メールアプリも開きながら動画を再生しつつブログを書いたり動画編集をしたりと作業していても「動作が重いなぁ。」と思うことはほぼない。

メモリが36GBのM3 Proなのでもっともっとサクサク感が劣ると思っていたのだが、そんなことはなかった。

また、動画の書き出し時間も「遅い。。」と思うほどのスピードではない。動画の書き出し時間についてはこちらの動画で比較しているので興味がある方はぜひ観ていただきたい。

動画の書き出し時間をまとめると、

M1 Ultra:2分44秒
M3 Pro:6分6秒

という結果となった。

結構な開きがあるようだが、書き出し中にサムネイル画像を作ったり、ブログを書いたり、メール返信をしたりと作業していてもサクサクなのでそれほど気にはならない。

それよりも、ここまでヘビーに使い込んでも次項でお伝えする静音性を保っているのが凄い。しゅごい。

2、驚異の静音性

どうなってんの?

と私が最も驚いているのはM3 Pro 16インチMacBook Pro(2023)の静音性。ハイパワーになるのは誰だって予測できた。Appleシリコン以前からずっとそれに関しては変わらない。

ただ、M3 Proに関しては・・・
CPUのベンチマークスコアだけならM1 Ultraに匹敵するほどのスペックを兼ね備えながらも、静音性をキープしている。

私自身がM1 MaxのMacBook Proを使っていた時にはファンが回りまくるので困っていたのだが、M3 Pro 16インチMacBook Pro(2023)ではファンを聞いたことがない。

すべてのアプリを起動させたまま、OBSというライブ配信アプリを使ってライブ配信をしながらFinal Cut Proで動画を書き出しても全くと言っていいほどにファンが回らない。というか聞こえない。無音。

ラップトップがここまでの性能と静音性を。。と驚かずにはいられない。

凄い。
本当に凄い。
静かすぎる。

空気清浄機の静かな音とキーボードのタイピング音だけが鳴り響く部屋で作業をするのは本当に快適だ。

3、キーボードが好き

キーボードに関しては好みが分かれるところだとは思うのだが、私は好き。というか大好き。

そこそこの押し心地がありながらも、どっしりとした本体ボディに響くタイピング音。指の跳ね返りもいい。

個人的にはWindowsPCのレッツノートに匹敵するくらいに好き。(私はレッツノートがめちゃくちゃ好き)

4、スピーカーとディスプレイ性能がぶっ飛んでる

異次元。

え、マジで?

空中にスピーカーでも浮いてんの?

と思うほどにスピーカー性能がまず素晴らしい。空間オーディオは本当の意味で空間に音が鳴り響いているような感覚になるし、Apple Storeで試聴したときには感じられなかった部屋の中で響く綺麗な音色はもうたまらん。

そして、ミニLEDディスプレイがもたらす動画視聴も最高。16インチの広大なミニLEDディスプレイ。エンタメ機としてはこれ以上はないと思う。

もはや、16インチMacBook Pro or 映画館と言っても過言ではないほどの体験価値を得られると思う。

というか、Macって本当にディスプレイとスピーカー凄いな。。WindowsPCってディスプレイは4Kとか言っててもスピーカーがどうしようもないものが多かったりするのでその点はMacの凄いところだと思う。

5、スペースブラックという美術品

Macが好き。
Macが好きゃぁ。
Macが好き。

という辞世の句を残したくなるほどに、スペースブラックのボディがBeautiful。You’re ビューティフォー。

私は16インチMacBook Proのスペースブラックを目にして2016年版のスペースグレイのMacBook Proに近しい印象を持った。なんだかかっこいい。美しい。ビューティフォー。

殴られるならスペースブラック。それなら許す。と織田信長ですら言いそう。はっきりと。明確に。

2016年版のスペースグレイMacBook Proは私生活で色々とあった時期なので、衝動買いしたという経緯があるのだが、今は私生活も充実して幸せに満ちあふれているにも関わらず幸せブーストのためにスペースブラックMacBook Proを側に置いておきたくなる。

指紋も思っていたよりつきづらく、というかほぼつかないので安心した。

16インチMacBook Proを側に置き、スペースブラックを眺めながら、時に手をスッと差し出し、ジェントルなMac Firstな生活を楽しむのも一興。嗜好品の側面もあるMacゆえの楽しみ方だと思う。

6、抱き枕

Macは嗜好品の側面もあるがゆえに抱きしめる人も多いことで知られているが、16インチMacBook Proのサイズ感はほぼ抱き枕。抱き散らかすためにこのサイズになったとすら思えるほどに抱き心地が良い。

その抱き心地の良さに気付いたのはバックパックに入れて電車移動をしているときだった。その日は空いていたので座っていたのだが、その際バックパックを自分の膝の上に置いたところ・・・

え、抱き枕やん。

って思ってん。マジで。ほんまに。

M1 MacBook Airでは小さすぎたし、iPadは抱くことすらできなかった。iMacは電源ボタンの位置が悪く、抱きしめると電源ボタン長押しの末に強制終了させてしまうことが多かった。

私は16インチMacBook Proを購入する前に国内外の情報を集めまくったのだが抱き心地については誰も触れていなかったように思う。異次元の抱き心地なので、ぜひApple Storeにて試してみてほしい。

2週間使用レビュー【微妙なところ】

1、重い

分かってはいたことなのだが重い。とにかく重い。なんだろうこの感覚。

持ち出すときはバックパック必須なのだが、大根7本くらい入っている感覚になる。
もはや鈍器。
とにかく重い。

また、外で持ち運ばなくてもラップトップの機動力を活かして自宅内を移動したいところなのだが、その時でさえやや取り回しづらさを感じてしまう。

この点に関しては2015年に15インチMacBook Proを手放したときと同じ感覚。どうやら私は2キロ前後のラップトップを持ち運べない体らしい。

2、M1 Ultraと比較した場合の少しの性能不足

M1 UltraとM3 Proでは使っていて大きな違いを感じない。メモリ不足の挙動も感じたことがないし、動画の編集が遅すぎて使えないと思ったことはない。もちろん、動画の編集中にカクカクしたりすることもない。

ただし、動画の書き出し時間については以下のような差が出ることもあった。

M1 Ultra:2分44秒
M3 Pro:6分6秒

とは言っても動画を編集中にモタつくようなことはない。1点だけ重箱の隅をつつくようなことを言うのであれば、動画編集中の音の波形が出るのが遅くてちょっとだけイラッとすることはある。

でも、それはM1 Ultraに慣れすぎているがゆえだと思うので、ほとんどの人は気にならないと思う。

3、2画面出力までしか出来ない

これが最大のデメリットだと個人的には思う。

M3 Proだけではないのだが、Proシリーズは外部ディスプレイへの出力が2台までの制限があり、3台目には出力できない。16インチMacBook Proであれば、本体ディスプレイを3台目として使ってトリプルディスプレイの環境を構築することも可能ではあるのだが、私にとっては小さい。

私は32インチ・27インチ・27インチの3台構成に慣れすぎてどうしても16インチのディスプレイでは物足りなさを感じてしまった。

M3 MacBook Airは画面を閉じた状態であれば、2台まで出力できるようになったように、M3 Proも画面を閉じた状態であれば3台まで出力できるようにOSのアップデートが入る可能性はあるとは思うのだが現時点ではそういった情報はない。

私のようにトリプルディスプレイの環境を気に入って使っている人はごくいちぶの人だと思うのでこれも大したデメリットにはならないだろう。

再結論:どういう人におすすめ?

ズバリ!

クリエイティブ系のアプリを使いたいすべての人へ自信を持っておすすめできるMacBook Pro。

これが結論だ。
私は使わないがBlenderを使った3Dデータの扱いも早くなったようだし、動画の編集もサクサク。CPUのベンチマークスコアはM1 Ultraに匹敵している。

しかも、静音。めちゃくちゃ静か。

そのため、自宅では大きなディスプレイ1台か2台に繋げて作業し、外出先でも使うことができる最高のラップトップになり得るだろう。

M1 Proが発表された当時を思い出していただきたいのだが「こんなバケモンスペック誰が使うの?」と多くの人が思っていた。あれからたった2世代で「ハイパワー」「静音性」を極限まで高めてあるM3 Proの16インチMacBook Proはほぼ全ての人にとって満足のゆくものになるはずだ。

これ以上のスペック(Max, Ultraシリーズ)については、従来の「動く or 動かない」という話ではなく、「快適 or より快適」というさらなる快適度を求める人たちのために存在すると思う。

例えば、M3 Maxを求める人は日常的に動画・写真・音楽・3D系のデータを大量に扱いお金を生み出している人が当てはまるだろう。色々と書いてきたのだが、M3 Pro 16インチMacBook Pro(2023)は私自身しっかりと2週間使い込んでみたからこそ強くおすすめしたいMacだ。

補足「実は・・・」

ここまでM3 Pro 16インチMacBook Pro(2023)をべた褒めする事を言ってきたので非常に申し上げづらいのだが・・・

私は自分の人生史上初めてMacを返品することに決めた。

Appleさん、、、いや、Apple様には本当に申し訳ないのだが、返品制度を始めて使わせていただくことにした。天地神明に誓ってレビューのために買ったわけではない。色んな人のレビューを見たり、ベンチマークスコアを見て「M1 Ultraとほぼ同じサクサク感ならラップトップ1台に集約させたい!」と思ったことが購入理由だった。

結果としては、ほぼ同じ感覚で使えるが、

  • 3画面出力できない
  • 書き出し速度がM1 Ultraより遅い
  • 動画編集中に音声の波形を読み込むのが遅い

という3点が理由で返品してM1 Ultra Mac Studioを残すことにした。本来であれば両方残しておきたかったのだが、資金的に余裕がなくMac Studioか?16インチMacBook Proか?を考えたときに苦肉の策としてMac Studioを残すこととなった。

ただ、使ってみて分かったのだがクリエイターにとってもラップトップが最適化の時代がもうそこまで迫っていることを実感した。

あと数年はMac Studioが最強Macであり続ける気はするのだが、熱が出づらい上にハイパワーのラップトップということであればMacBook Proの方を好む人の方が増えてきそうだ。

最後に「そろそろ旧世代の考え方のアップデートを。」

私は10年以上前はWindowsの自作PCユーザーだった。中古の安いパーツをかき集めては必要もないようなハイスペックを求めたり、オーバークロックを行ったりしてマニアックな遊びもしていた。

その頃から、いやそれ以前から「ラップトップには限界がある。しかも割高。スペックを求めるならデスクトップ一択!」という考えを持ち続けた。その考えを未だに持っているのだが・・・

M3 Pro 16インチMacBook Pro(2023)を使って思ったのは、「そろそろデスクトップ型のMacの終焉がくる。」ということだった。

AppleはAppleシリコンへ移行してからは、毎年のように「ハイパワー」「省エネ」「静音性」の点に関してアップデートを積み重ねている。それに加えてメディアエンジンやレイトレーシングなどのアップデートも加わるため、もはやラップトップだけですべてをこなすことができる時代が迫ってきていると感じる。

これらに加えてApple Vision Proも発売されるのだから、自宅据え置きでしか使えないラップトップ型のMacの終焉は近いかもしれない。

今回は残念ながら返品することになったが、これからもAppleのMシリーズのチップについては情報収集に務めていきたい。3年後にはデスクトップ型Macは時代遅れ!という記事や動画が出回るような気がしている。

こんなことを言っていると、M3 MaxのMacBook Proが欲しくなってきたのだがそれはまた別の機会に。

4 COMMENTS

ぬこ車

旧世代の考え方のアップデート!
ホントそう思いました、OSアップデートはちょくちょくされているのに
久しぶりの14インチMBPを購入して自分がアップデートされてないことに気付かされました。

抱き枕は意味わからん!?って思いましたが、
抱きしめると意味が伝わりました

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Rockfield

iMacがM2スルーされたり、M3のMBAで二画面出力対応させたりの昨今、確かにラップトップに注力してると思います。

であれば、廉価版のApple純正ディスプレイを待ち望むばかりであります。
現行のは高すぎて、、、

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管理人@うぉず

おっしゃるとおりです。
Studio Display高すぎなんですよね。。笑

普通の4Kでいいのに。。。

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ゆき@(ゆき@奈良)

Apple Siliconが第三世代に更新されて、Proシリーズならファンがほとんど回転しない発熱性能を獲得して、今までの常識をアップデートしないといけない時に来てしまいましたね。(^^;;

それと同時にデスクトップ型が収斂していく時代が来るとすれば、レッツノートやDynabookのように着脱型バッテリーモデルを投入して欲しいです。

バッテリーが劣化することにより、本体が使用不可になったり、バッテリーの交換の容易さを担保出来たりできるように。(修理が出来なくなった数年後、コンセント運用できますし)

そうすれば、長く安心して使えるMacの長所が維持できますし。

デスクトップ型もMac Studioがなくなるかもしれません・・・。Mini一択時代か?

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